京都カラスマ大学

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授業詳細

【美術】

現代アートってどう見るの?ー自分らしい視点で、見立てて想像してみようー

2017年10月14日(土) 12時00分 ~ 14時00分    教室:元淳風小学校2階「ふれあいサロン」
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※1:本授業は、先着制です。10月13日(金)20時まで先着順でお申し込みを受付いたします。
※3:ドリンク代として当日「おひとり500 円」をいただきます。釣り銭なきようご用意ください。
今回の授業は、アートツアー。
『見立てと想像力 ━ 千利休とマルセ ル・デュシャンへのオマージュ』展
が開催されている中でのオリジナル授業です。
教室となる元淳風小学校では、
「茶の湯の父」と「現代アートの父」の思いにならい、
日仏のアーティスト8名が
想像力を刺激するインスタレーションを展示しています。

参加アーティスト:藤本由紀夫、セシル・アンドリュ、宮永愛子、
八木良太、染谷聡、ジュスティーヌ・エマール(サウンドデザイン:原摩利彦)、
井村一登、小松千倫


今年2017年は、フランス人アーティストのマルセル・デュシャンが
レディメイド作品「泉」を発表してから100年目に当たります。
デュシャンは、既製品の男性用小便器にこのタイトルを付け、
公募展に偽名を使って応募し、意図的にスキャンダルを引き起こしました。
この結果、アートの概念は根底から覆され、現代アートが誕生。
既製品に意味やメッセージを与えて作品とする「レディメイド」は、
多くの作家が採用する手法となりました。
「nuit blance kyoto 2017」公式サイトよりー




本の表紙にもなっている、これですね。
えっ? 現代アートの始まりって、これ??

「泉」の約350年前に同様の発想を抱いたのが、茶の湯を完成させた千利休。
魚籠や瓢箪を花入れとしたり、釣瓶を水指としたりする「見立て」の手法は
レディメイドとよく似ています。
様々な趣向を取り入れた茶席の「しつらい」は、
今日のインスタレーションの先駆けとも捉えられます。
ー「nuit blance kyoto 2017」公式サイトよりー




方や、千利休さんの登場です。
茶道を習ってる人も習ってない人もたぶん知っている、偉人のひとり。
こちらの説明の方がピンとくる人も多いかも。
もっと身近に置き換えれば、目玉焼きを挟んだバーガーを
「月見バーガー」と名付けるのも見立てのうち。

おおお。わかってきた、かも。かも?

「地方の芸術祭に行くのは好き!」
「でも、普段は美術館に興味ないのは何でやろ?」
「便器をアートだなんて、言ったもん勝ちなの?」
「だって、現代アートって、美術の時間で習ってないよね」
「そもそも、どうやって楽しめばいいの?」

さあ、ハテナがいっぱいの私たちを
「どんとこい!」と待ち受けてくださるのは、
今回の展覧会のキュレーター、編集者の小崎哲哉さん。
超初心者の現代アートへの入り口として、
今回の展覧会にまつわる謎解きをしてくださいます。

昭和レトロな小学校の中で、
「現代アートって何?」
という素朴な問いに対する答えをみんなで探しに行きましょう。


【当日の流れ】
12:00 受付開始
12:15 はじまりのあいさつ 
12:20 小崎哲哉さんによる、やさしすぎる展覧会の解説
12:45 アートツアー(校舎内)
13:30 「自分らしい視点」の共有
14:00 アンケート記入後、解散


授業コーディネイター:高橋マキ

小崎哲哉 / 編集者

1955年、東京生まれ。ウェブマガジン『REALTOKYO』『REALKYOTO』発行人兼編集長。京都造形芸術大学大学院学術研究センター客員研究員。2002年、20世紀に人類が犯した愚行を集めた写真集『百年の愚行』を刊行し、03年には和英バイリンガルの現代アート雑誌『ART iT』を創刊。13年にはあいちトリエンナーレ2013のパフォーミングアーツ統括プロデューサーを担当し、14年に『続・百年の愚行』を執筆・編集した。

今回の教室:元淳風小学校2階「ふれあいサロン」

住所:京都市下京区柿本町609-1
※授業内容につきましては、京都カラスマ大学(080-6177-0775)までお尋ねください。

最寄り駅:市バス206、207、6、18などで「島原口」下車すぐ。JR「丹波口」駅より徒歩12分。阪急線「大宮」駅2B出口より徒歩15分。地下鉄烏丸線「五条」駅4番出口より徒歩16分。

<バリアフリーに関して>
バリアフリー設計ではありません。ご来場の際は、お手数ではございますが、事前に京都カラスマ大学事務局までご連絡ください。当日スタッフが対応させていただきます。
京都カラスマ大学事務局(karasuma@univnet.jp)
地図を見る

学制公布より前の1869(明治2)年に住民組織が創設した開校147年の伝統校。2017年4月に学区が隣り合う醒泉小と統合し、新たに下京雅小学校が誕生したことを機に廃校した。1931(昭和6)年竣工の、レトロモダンな鉄筋校舎が残る。

レポートタイトル:見立てて楽しむ、装置(しかけ)が作品(アート)に変わるとき。

今回の授業は、アートツアー。

前半は、『見立てと想像力 ━ 千利休とマルセル・デュシャンへのオマージュ』展が開催されている中で、本企画のキュレーターである小崎哲哉さんより「現代アート」についてお話しいただきました。

「現代アートってどうやってはじまったと思いますか?」と小崎さん。

100年前、ひとつの男性用小便器がアート作品として提出されて、展示を拒否される。その名も「リチャード・マット事件」。これが現代アートのはじまりだそうです。100年前のフランスで、まだまだ絵画と彫刻が美術だ!と考えられていた時代に、当時29歳のマルセル・デュシャンという若造が、公募展に「男性用小便器」で応募して、「アートだ!」と言っちゃったのです。これまでオリジナルの作品、中でも絵画や彫刻が主流だった時代に、出来合いのものを買ってきて、しかもなんとも破廉恥な作品を展示してしまった。これは、「美術なのか?」と大論争になりました。しかし、時をかけること50年、次第に現代アートといわれるものが「美術」として確立してきました。

でも、現代アートってなんで「アート」なのかよくわからない。でも知りたい!!こんな迷える子羊状態の私たちを、小崎さんが現代アートの入口へ手ほどきしてくださいました。

出来合いのものを飾って「アートだ!」と言わしめる条件ってなんなのでしょうか。それは「レディメイド」「見立て」という2つのキーワードからひも解くことができるそう。

まずは「レディメイド」。これはデュシャンが提唱した出来合いのものや大量消費のものを作り手が選んで、持ってきて展示して、観客が何らかの解釈をすることで、完成するアートのこと。続いて「見立て」。こっちは、日本の茶人・千利休が提唱したもの。ある機能を持ったものを別の役割を与えることによって、観客の想像力を巻き込んで、茶席を完成させたそう。

この、フランスのデュシャンと日本の利休がやったこと、とっても似ていると思いませんか? つまり、作り手だけじゃ完成しない、観客がいて初めて完成するのが、現代アートだというのです。現代アートは、網膜じゃなく脳みそに訴えかけるものだそう!そんな現代アートにとって大切な構成要素は3つ。

観客への「インパクト」、「コンセプト(メッセージ)」、そして「レイア―(重層性)」。

つまり、現代アートというのは、作品のインパクトから、観客がなんらかのメッセージを受け取る。またそのメッセージはその人となりによって、何重にも重なり重層的な解釈を与えるものなのだと、小崎さんは言います。

では、私たちはどうやって現代アートからメッセージを受け取ればいいのか? 鑑賞の方法を教えてもらいました。
まず、キャプション(作品解説文)を見ずに、中に入って見てみる。意味を推測する。自分の経験から考えてみる。そして、キャプションを見て自分の類推と比べてみる。作家と合致していてもいい。新しいオリジナルの解釈でもいい。それが現代アート。

ふむふむ。なんだか、ちょっと現代アート通っぽくなった気がしてきました。先生のお話でアートへの期待が膨らんできたところで、アートツアーへ。各自で、「茶の湯の父」と「現代アートの父」の思いにならい、日仏のアーティスト8名が想像力を刺激するインスタレーションの展示を回りました。

いよいよ後半は小崎キュレーターを囲んでの、全体トーク。
展覧会を回って得た「自分の視点」を共有しました。
 
「見えないものに興味がある。それとの境目を感じた」「情動的な動きがあるものと、これはなんやろ?という作品があった」「面白かった、でも慣れてないから感動するのは難しかった」「どこまでが作品で、どこまでが設備として校舎にたまたまあったものなのか?」など参加者の皆さんから、十人十色の意見が寄せられました。そんな感想を得たキュレーターの小崎さんは、「使えるものはなんでも使う。それが現代アート」と答えます。今回は会場が小学校の廃校舎だっただけに、学校という設備への観客の特別な感情があったと思う。これがまさに、装置美術、設置美術です、とconclusionしてくださいました。

現代アートをめぐる今回の授業を受けてから、後日、私は京都国立近代美術館の「Fountain1917-2017」に行ってきました。理由は、「ほんまに男性小便器飾ったのかな?フランスやし、おしゃれな便器かもしれへん」。そう思ったからです。

、、、本当に便器でした。

でも、それが美術館の展示室にあっても違和感はなかったです。現代アート、正直まだわからないけど、「なにがあるのか、見てみたい」。そう思うようになった今日この頃です。

(レポート:れな、写真:さかい)

※写真をクリックすると拡大します。


 

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レポートUP
カテゴリ:【美術】
定 員 :12人
参加対象:どなたでも/現代アートに興味がある方/現代アートってなんだろう?と思っている方