授業詳細
【文化】公開木版体験〜人力輪転機!?
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※2:10月・11月の講座は<先着順>で申し込みを受付いたします。抽選予約は12月からスタート予定です。
先生は、海外でのワークショップや、現代感覚でアレンジしたオリジナル作品などで注目を集める手摺木版『竹中木版』5代目の木版摺師・竹中健司さん。授業を行う場所は、週末で賑わう「新風館」の烏丸エントランスホールです。せっかくの日曜だから、たまたまその場に居合わせた人たちを観客に、授業そのものをパフォーマンスとして見せてしまいましょう、というサプライズ的公開授業。授業に参加する者だけでなく、見る側も、楽しみながら木版の仕組み、行程、美しさを知ることができるはず。彫刻刀を持つのは小学校時代以来、という人でももちろん参加可能。みんなで完成させた多色摺りの木版は、ひとり1枚ずつ持ち帰っていただきます。
週末の午後の秋空の下、木版摺のパフォーマーになってみませんか?
【授業の流れ】
13:30 新風館・烏丸エントランスホール集合
14:00~ 自己紹介
14:10~ 木版について、道具や行程の説明
14:15~ 彫り進む
15:50~ 木版摺
16:30 終了
(授業コーディネーター:高橋マキ)
【注意事項】
※1:当日の授業では、材料費として、お一人あたり「500円」を頂戴致します。
※2:万一のため、汚れてもよい服装でご来場ください。
※3:本授業会場は新風館「烏丸エントランスホール」となります。
竹中 健司 / 木版摺師
摺り木版「竹中木版」の五代目。父である現当主・竹中清八に幼少の頃から手ほどきを受け、木版印刷の技術を習得。平成18年にはアメリカ合衆国ペンシルバニア、ボストンにその会得した技術でワークショップを開催、翌19年にはアメリカ合衆国ハワイでもワークショップを開催した。木版印刷技術を駆使した作品は、ボストン美術館・ホノルル美術館で所蔵されている。また木版としては最大級の作品を、源氏物語千年紀イベントにて、1,000人の観衆の前でデモンストレーションしたことでも有名である。京都木版画工芸組合、京都版画出版協同組合、文化庁選定「浮世絵彫摺技術保存協会」の理事として、木版印刷の流布にも力を注いでいる。
竹笹堂オフィシャルサイトへ
今回の教室:新風館
住所:京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2
電話:075-213-6688
(お問い合わせは所在場所確認についてのみお願いします。
授業内容につきましては京都カラスマ大学にお尋ねください)
最寄り駅:地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅下車徒歩すぐ
当日連絡先:090-8165-5011
地図を見る
大正15年に通信時代の礎を築く京都中央電話局として建設された洋館をリノベートし、2001年にオープンした情報発信型複合商業施設。中庭を囲む地上3階建ての回廊式の建物にファッション、グルメ、インテリアなど約30店舗が軒を連ねる一方、ベロタクシー(NPO法人)の拠点としても知られ、また、中庭には京都市の助成を受ける起業希望者の屋台型店舗を出店するなど、流行の発信拠点にもなっている。
<バリアフリーに関して>
※バリアフリー設計となっております。安心してご利用ください。
「木版画の工程は印刷技術の原型」
と、竹中先生は言います。
とはいえ実際にその工程を見たことはありませんし、制作する機会なんてありません。
まずは木版画のイメージをもってもらおうと、
葛飾北斎『富嶽三十六景』の、先生によるリメイクが入ったクリアファイルが手渡されました。
中には完成形のほかに原板1枚分のみで摺られたものがいくつか入っていて、
1枚の紙に何枚もの原版を摺り重ねることで絵ができあがる過程をイメージします。
テーブルの上には受講生11人分それぞれに板が振り分けられました。
板の上には星形と思われるカタチのはっきりした図もあれば、
地図記号のようなまったく分からないものまで描かれています。
11の図柄を重ねたらどんな絵ができるか、それは完成したときのお楽しみです。
■彫り
「彫刻刀ってむかし学校で使ったなぁ」とは思ってもどれをどう使うか忘れてしまってます。
そこでそれぞれの名称と使い方の解説を。
最初に使うのは「切り出し」。
先端に斜めになった刃がついています。
これで板の上に予め描かれた線に沿って切り込みを入れていきます。
持ち方は鉛筆持ちで引いて使うのですが、これは日本の刃物文化の伝統。
包丁でも欧米のは押して切りますよね。
次に使うのが「丸刃」。
断面がU字型になっていて、切れ込みを入れた辺りをラフに彫り出していきます。
3番目に使った「間透き(あいすき)」ではその間の部分を削っていきます。
最後に「さらえ」で絵柄がきれいに浮くようひたすら深く削れたら「彫り」のパートは終了です。
「本来は浅い彫りの方が摺りやすいのですが、今回は初めての方ばかりということで深く彫ることで周りに余計な色がつかないようにしましょう」
彫る人によって削りカスの大きさや量、そしてその散らかり具合まで様々。
性格判断ができそうなぐらいに個性が出ています。
今回使われた板は3層に分かれていて、彫る深さによって木の色が違います。
横から作業を見ていてもどれぐらいの深さまでいっているのかが分かります。
授業の始まった頃は雨が降っていて暗いテント下での作業でしたが、
雨も上がり外に出ると作業効率も上がり、
買い物に来られた一般の方たちの注目度もアップ、
生徒の皆さんの緊張感も次第に高まって、
場の雰囲気がとてもいい感じになってきました。
■ 摺り
彫る作業が終わった人から糊を水で薄め、
別の器には一人一色ずつ水彩絵の具を用意していきます。
今回は、秋をイメージして全て赤系統で色が揃えられました。
全員の準備ができたところで流れ作業になるように長机を一列に。
ちょうどそこへ会場となった新風館さんが照明を明るくしてくれて、
あらかじめ計算したかのようにライトがあたりました。
まるでパフォーマンスライブです。
先生が板の端に2箇所溝を入れていきます。
それを定点に11人がそれぞれのパートを摺っていくわけですが、
これが中々難しそう。
手際よくしないことには紙に余計な色が付いてしまうのです。
何度か練習をしてから、いざ本番へ。
しかし、初めはおっかなびっくりだった生徒さんたちも
いざ摺りはじめてみると緊張感は適度なもので、
皆さん黙々と目の前の紙に集中していました。
一枚目が11人の手によって摺り終わると、
自分たちが彫っていたのは川、橋、そして嵐山の紅葉だったのだと分かりました。
竹中先生オリジナル画の「秋の渡月橋」です。
枚数をこなすごとにコツも分かってくるようで勢いづいていきます。
最後の1枚を摺り終えて「もう11枚ぐらい摺りたいです」と言う人まで。
最後は、先に作業を終えた人たちが用意した缶ビールで乾杯。
自分たちの仕事を眺めながらの1杯はどんな味だったのでしょうか。
11枚の完成品は同じメンバーが同じ作業で作っていたにもかかわらず、
それぞれ微妙に摺りムラや色汚れがあって、どれひとつ同じものではありません。
それは11人の個性がひとつにまとまっていると同時に、
そのまとまり方の違いが新たに絵そのものの個性を与えているのです。
完璧な精度によって作られた規格品が当たり前にできてしまう今だからこそ、
ささやかな個性を含んだ共同作業は楽しくて心地良いのかもしれません。
(ボランティアスタッフ 田辺敬朗)

定 員 :11人







