授業詳細
【日本文化】Do you 能?
2010年02月27日(土) 13時30分 ~
15時00分
教室:松響閣
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※1:本授業の抽選は2月15日(月)に行います。抽選予約受付は2月15日(月)12時までです。
※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2月24日(水)24時まで先着順で
お申し込みを受付いたします。
ここのところ、ドラマや映画の影響で落語や歌舞伎といった日本の伝統芸能に親しんだり、おとなのたしなみとしての和のお稽古事に注目をし始めている人が増えています。けれど、こと「能」に関しては、「古い・ムズカシイ・かた苦しい・敷居が高い」という印象が拭いきれず、まだまだ敬遠されがち。実際に、生で公演を見てみたいと思っても、果たしてどこでやっているのか、そもそも音楽のライブのようにチケットというものが存在するのかわからない、、、と、1歩目でいきなりつまずいてしまった!という苦い経験をもつ人も。※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2月24日(水)24時まで先着順で
お申し込みを受付いたします。
そこで今回は、スマ大世代の能楽師・林宗一郎さんのお宅(お稽古場)にお邪魔して、「能楽師ってどんな仕事?」「あの独特な衣装のなかではどんな動きをしているの?」など、お能に関する基本中の基本を教わってみようと思います。

白足袋(もしくは白い靴下)に履き替えて実際に能舞台に上がり、舞(仕舞)の手ほどきも受けてみます。客席から見るときわめて静かな動きのなかにも、「これって、二の腕エクササイズ?」と言いたくなるようなポーズがあったり、先生の謳いの生声の素晴らしさに驚いたり。

知識的なことよりも、能面や装束に触れる、舞台に立つなどの「体験」を通して、まずは「能っておもしろいかも」「美しい!」と思えることを優先し、後世に受け継ぐべきその芸術性を学びます。
「Do you 能?」
【授業の流れ】
13:00~ 受付開始@教室の松響閣にて
13:30〜13:40 林先生の自己紹介(能楽師ってどんな職業? どんな毎日?)
13:40〜13:50 意外と知らない? 能から発生した日常のことば
13:50〜14:00 能面、能装束に触れてみる
14:00〜14:30 所作、発声にチャレンジ
14:30〜15:00 グループワーク(即興劇を作る。発表する)
【注意事項】
舞台に上がるための白足袋(もしくは白い靴下)、扇子(なくてもよい)をご持参ください。
※放課後 能面、装束を手に取って自由にご覧いただけます。
(授業コーディネイター/高橋マキ)
今回の教室:松響閣
住所:京都市左京区浄土寺真如町24-22
電話:075-751-8158
(お問い合わせは所在場所についてのみ、お願いいたします。
授業内容につきましては、京都カラスマ大学までお尋ねください)
授業当日の連絡先:090-8165-5011
最寄り駅:市バス5系統、17系統、特17系統、27系統、93系統、204系統で
「真如堂前」もしくは「錦林車庫前」バス停
教室までの行き方:市バス「錦林車庫前」バス停下車、ファミリーマートの南側から、
ゆるやかな坂道を上り、住宅街へ。真如堂目指して徒歩10分。右手に見えるスマ大の紫のフラッグが目印です。
地図を見る
昭和5年に十一世林喜右衛門が御室に建設した舞台を、平成15年、十三世林喜右衛門が左京区真如町の自宅に再興。「松響閣(しょうきょうかく)」という名は、観世流のお家元二十四世観世左近先生命名による。鏡板に描かれている松は、猪飼嘯谷(いかい・しょうこく、1881〜1939年)作。
<バリアフリーに関して>
バリアフリー設計ではありません。ご来場の際は、お手数ではございますが事前に京都カラスマ大学事務局までご連絡ください。当日スタッフが対応させていただきます。
京都カラスマ大学事務局(karasuma@univnet.jp)
レポートタイトル:能の世界に、近づく一歩。「Do you 能?」「I 能!」
少し梅の香りもただよってくる2月下旬。
14代続く観世流・林家のお稽古場「松響閣」を教室に、「Do you 能?」の授業が行われました。
林家の玄関を入ると、目の前に立派な能舞台! この舞台そのものは7年程前の改築の際に完成したそうですが、もともと御室にあった約100年前の能舞台の材を使用しているそうです。
●イメージが大切な世界
まず「能」とは何かということや、実際に能面や装束(衣裳)を拝見していろいろなお話を伺いました。
そもそも能は、室町時代に観阿弥・世阿弥によってはじめられ、現在に至る伝統芸能。
「人間の普遍的なものをテーマにし、七五調を基本とした台詞とわずかな所作で表現される、
無駄なもの一切をそぎ落とした芸能なんです」と先生。
使われる道具は、基本的には扇子のみ!これひとつで、感情や風景を表現するそうです。
ここで重要なのが、イメージするということ。
例えば花が咲いているという風景や、月を眺めている所作があったときについて。
咲いているのは赤い花だろうか、黄色い花だろうか。
見上げている月は、満月だろうか、三日月だろうか。
具体的に決まってはおらず、それはすべて見ている側のイメージまかせ。
そういうところが「不親切」で、そして同時に「楽しさ」であると教えていただきました。
このイメージが大切というお話を受け、生徒さんから「花や月はイメージするのに、
どうして能舞台の背景には松が描かれているんですか?」という質問がありました。
なるほど。確かに、能舞台には松の絵がつきものです。
先生によると、元々能舞台が神社やお寺の境内など外にあったということの名残であり、
背景としての意味はないのだとか。
また、松は神が降りてくる神聖な場所、「神を待つ」場所としての意味もあるとのこと。
能舞台の脇には青竹も描かれており、竹と松、舞台に立つ役者を梅と見立て、
松竹梅を意味しているのでは…というお話もありました。
●扮する、ということ
次は、実際に舞台で使われる能面や装束(衣裳)を使ってのお話です。
10代前半の若い女性に使う「小面(こおもて)」、
10代後半から20代前半の女性に使う「若女(わかおんな)」…。
どの面をつけているかで、大体の年齢が分かるようになっているんですね。
そして最大の怒りを表わす面「般若(はんにゃ)」は男性と思われがちですが、これも女性。
怒ると女性には角が生える。結婚式の白無垢の角隠しに通じるのだとか。
能の装束は見るだけでなく、実際に着付けを踏まえて拝見しました。
生徒さんの一人がモデルとなって、簡単に装束を着付けていただきます。
平面的な衣裳を立体的に着付けていくのが特徴だということで、襟や胸元あたりにボリューム感が。
装束の着方にも違いがあり、「熨斗付(のしづけ)」という着方は普段着、「壷折り付」なら正装…と、役柄や状況で異なるそうです。
装束を着るには何本もの紐を使う…というイメージですが、
能は紐一本で着付けている!ということにも驚きました。
着付けの際、紐の締まり具合を確かめる言葉が「おしまり」。
「締まり具合はどうですか?」という意味で、ちょうどよければ「はい」と返事をするそうです。
衣装についての質問に「能装束に季節感はありますか」というものがありました。
生地は春夏秋冬変わりませんが、装束の柄が変わるのだとか。
例えば「紅葉狩」の演目なら、秋らしく紅葉をあしらった着物を使ったりすることが多いそうです。
●能から生まれた言葉
私たちが日常で使っている言葉で、能から発生した言葉をいくつか教えていただきました。
例えば、晴れの舞台に立つことを意味する「檜舞台に立つ」。
能の舞台はすべて檜で作られており、そこで演技することは、立派な役者である
というところからきているとか。
「板につく」というのは、元々は能の基本であるすり足が上手い事を指す言葉で、
「とことん」というのは、舞台の上で足を打つ拍子のリズムのひとつ…。
「初心忘るべからず」や「花がある」といった言葉は、
能の創始者でもある世阿弥の残した言葉だということも教わりました。
何気なく使っていた言葉のなかに、こんなにも能と密接な言葉があったのかと驚きです。
●謡、すり足、感情表現を体感
さていよいよ後半の実践編。お祝いの席でも有名な「高砂」の謡を練習します。
まず先生が謡を披露してくださったのですが、その声の素敵なこと!
それまでお話されていた声とは全然違う、深みがある声が室内に響き渡りました。
この謡をオウム返しの手法で練習。先生が謡った後に生徒さんたちがつづきます。
「高砂やー」「たかさごやー」
「こ乃浦舟にー帆をあげてぇー」「このうらぶねにーほをあげてぇー」。
少し長い部分は後半に若干の不安がありながらも、きっちり先生につづいて発声練習。
そして次は舞台の上ですり足を体験します。
私も体験させていただいたのですが、これがなかなか難しい!
前屈みの状態から上半身だけを起こし…と、姿勢を作るところからが困難でした。
動くときは片足に力を入れながら、先ず左足を前にすり出し、つま先を上げ、下ろして体重を掛け、
次に右足をすり出し…。まるでロボットのような動きになってしまいました…。すり足が板につくには、相当練習が必要だと感じました。
舞台を下り、今度は感情表現の練習です。
悲しいときや考えている時は下を向いたり、首を傾げます。
涙を流すときは、少し前屈みの状態で左手で目頭を押さえる、
喜びのときは扇子を広げて大きく扇ぎ、
怒りを表わすときは扇子を閉じて膝の辺りで打つ…。
こうして練習したことをふまえ、いざグループワークの時間です。
●いざ、檜舞台に
5人ずつ6つのグループに分かれ実際に演技をする、今回の授業のハイライト。
教えていただいた所作や、用意してくださった小道具を使っての演技です。
先生方にアドバイスをいただきながら、それぞれに趣向を凝らした内容を考えて発表してもらいます。
生徒さん同士がアイデアを出し合い、「こういうときはどうするんですか?」と先生方に相談し、
さらにアイデアが生まれ、完成していくストーリー。
和気藹々とした雰囲気の時間です。
そして試行錯誤の結果発表されたのは、季節感ある「梅」や、まさに時事ネタである「オリンピック」、リレーなどバラエティに富んだ内容。
雨を表わすために傘を使ったり、オリンピックの聖火を表わすために松明を使ったり…。
もちろん、教えていただいたすり足や泣き笑いの表現などもしっかり織り交ぜられています。
生徒さんたちのアイデアが詰まって完成された舞台は、若干狂言っぽくなってしまう部分もありましたが、いずれも拍手喝采!となりました。
●放課後のお楽しみ
授業が終わった放課後も、先生を囲んで衣裳や能面についての談義が教室ではつづいていました。
生徒さんがお帰りになる際も「楽しかったです」という言葉を多く聞き、嬉しくなりました。
印象に残ったのが「文字で知識は得られるけど、そこからはイメージできない」という生徒さんの感想。
「実際に体験して目で見ることで、能との距離が短くなった」と嬉しそうにお話してくださいました。
盛りだくさんな内容で、あっという間に過ぎていった授業時間。
能を見る際に教えていただいた事を踏まえて見れば、今まで難しいと思っていた能も、
「こういうことだったのか!」と理解できるような気がします。
「能は不親切な芸能なんです」と授業の最初におっしゃった先生の言葉。
それでもそこに想像することの楽しさや理解できる嬉しさが加われば、
本当に能というものが今までよりも身近に感じられそうです。
まだまだ深い能の世界に触れる貴重な第一歩を踏み出せた授業になりました。
(ボランティアスタッフ 山下 早紀)

カテゴリ:【日本文化】
定 員 :30人
定 員 :30人
参加対象:どなたでも/日本文化、伝統文化に興味のある方







