授業詳細
【き(木)づかい学科】つみきで森を考える①~森の話編~
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※2:抽選後、定員に満たない場合やキャンセルが発生した場合は、2月24日(水)24時まで先着順で
お申し込みを受付いたします。
※3:本授業は、全2回のシリーズです(1回完結型授業です)。
※4:授業の際、コーヒー代としてお一人あたり「500円」を頂戴いたします。受付時にお渡しください。
お寺も神社も、私たちは知らず知らずに木の製品に囲まれて暮らしています。
木の製品のイメージといえば「エコ」。しかし、付き合い方を間違えると「エコ」とは程遠い結果になること、ご存知でしたか?
今、「木との付き合い方を学ぶつみきワークショップ」がじわじわと全国で広がっています。
つみきワークショップとは、日本の森を守り育てる過程で生まれる「間伐材(森林を健康に保つために必要な間伐作業によって生産される木材)」をつかって作られたつみき、1万ピースで遊ぶワークショップです。ワークショップでは森のこと、木を育てること、木との付き合い方を学び、すてきな「き(木)づかい」ができる人がたくさん生まれています。

今年、京都カラスマ大学ではこのつみきワークショップを京都でも開催することを目標に「つみきゼミ」を立ち上げます。
「つみきワークショップって、なんだろう?」「つみきで遊びた~い。」
「ゼミに参加して楽しいこと、京都ではじめてみたい!」
そんな声が聞こえてきそうですが、あせりは禁物。
京都カラスマ大学では、大学らしくまずは「木って本当にエコなの?」について考えてみることにしました。今回の授業は絵本「木のものがたり」を教材に、絵と文を担当した作家さんと企画したNPOの事務局長をお招きして行います。
絵本「木のものがたり」は、NPO法人京都・森と住まい百年の会が制作した「木の椅子」のおまけとして制作され評判を呼び、2008年一冊の本として出版されました。NPO法人京都・森と住まい百年の会は、森と暮らしを多様に結びつけ山造りを応援し、森と共生する豊かな暮らしを後世に引き継ぐ活動として、絵本「木のものがたり」の制作をはじめ、京都の木でつくった家の見学ツアーや子どもが最初にすわる「はじめての椅子」デザインコンテストなど、ユニークな活動を続けています。
絵本の制作過程や絵本にこめられた思いをうかがいながら、みなさんも「木とエコの関係」について
考えてみませんか?
もしも授業の後に「木のものがたり」を誰かにつたえたくなったら、あなたもつみきゼミ生の素質十分。
4月(予定)のつみきワークショップを実際に体験してもらう授業にもご参加くださいね。
というわけで、「つみきゼミ」にむけた「つみきで森を考えるシリーズ」の授業は「森の話編(2月)+実践編(4月)」形式で行います。ゼミに興味のある方はもちろん、ちょっと話だけ聞きたいという方も大歓迎。どちらか片方だけの受講も可能です。
【授業の流れ】
9:30~ 受付開始@教室のモコモコカフェにて
10:00~10:25 DVD「木のものがたり」上映
10:25~11:30 トークセッション:「木のものがたり」制作秘話
11:30~11:45 グループワーク:「100年残したいもの」
11:45~12:00 Q&A
12:00 解散
【注意事項】
※1:「つみきで森を考える~実践編~」(4月予定)及びつみきゼミへの参加をご希望の方は
できるだけご参加ください。
※2:第1回授業(2月)は座学です。つみきで実際に遊ぶことはありません。
(授業コーディネイター/塚本史緒・高橋マキ)
田村 灯 / 京都精華大学メディア造形学科版画コース学生
1987年生まれ。京都市在住。京都精華大学メディア造形学科版画コース在学。 「京都・森と住まい百年の会」のデザインチーム「森のデザイン工房」に参加し、会報やリーフレットのイラスト、絵本「木のものがたり」の文・絵を担当。現在木版画に熱中中。
白石 秀知 / NPO法人京都・森と住まい百年の会事務局長
専門技術員、樹木医。NPO法人古材文化の会の事務局長もつとめ、再生可能な森林資源を現代的に活用する社会システムを創造したいと願って活動している。
今回の教室:モコモコカフェ
住所:京都市中京区大津町665
(烏丸丸太町を東に一つ目の信号、間之町通りを南に3軒目)
地図を見る
家族が団欒するような和やかな空気とモダンな空間が混じり合う町家カフェ。

京都・御所南にあるモコモコカフェはメンバーみんなで改装して出来たお店です。木の温もりや手づくりの風合いの中、のんびりとした時間を過ごしていただけたらと思っています。普段はカフェですが、各種イベントやギャラリーとしても使える多目的空間です。多くの方に利用していただき、カフェに来ていただいた方の次に繋がる芽を出すお手伝いができればと思っています。
2009年12月より週末カフェとして営業しておりますが、4月より平日営業も始めますので、どうぞよろしくお願いします。
手づくり焙煎機でローストしたコーヒー、トロリと溶けだすクリーミーなホットサンドがオススメです。
HPはこちら
<バリアフリーに関して>
バリアフリー設計ではありません。ご来場の際は、お手数ではございますが事前に京都カラスマ大学事務局までご連絡ください。当日スタッフが対応させていただきます。
京都カラスマ大学事務局(karasuma@univnet.jp)
今回の授業は、4月3日に行われる『つみきで森を考える②~体験! 一万ピースのつみきワークショップ実践編~』との連動授業です。実践編では、間伐材から作られたつみきを使ったワークショップを体験
します。何事にも実践の前には基礎が必要です。同じつみきでも、背景を知っているか知らないかで、
触れた時の感じ方が異なるのではないでしょうか?
木を取り巻く現状はどうなっているのか?間伐材って何?木=エコ?
私たちの生活に身近な木ですが、知らないことがたくさんあります。
森の話編では、絵本「木のものがたり」を企画・制作したNPO法人京都・森と住まい百年の会(以下、百年の会)事務局長である白石 秀知さんと、「木のものがたり」の文・絵を担当された田村 灯さん
(京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コースに在学中)を先生としてお迎えしました。
「木のものがたり」という一冊の絵本を通して、木について知り、そして考える授業となりました。
教室は、素敵な木の看板が目印のモコモコカフェ。御所を散歩してちょっと一息、という時にピッタリの町家カフェです。温かさと懐かしさを感じられる雰囲気と挽きたてのコーヒーの香りの中で、
授業は始まりました。
今回の授業では、配布資料にメモをつけ、授業前、生徒さんに2つの質問の答えを書いてもらいました。
① 今の気分は?
② 本日の授業の気になるキーワードは?(木、絵本、エコなど)
①については、「わくわく」「どきどき」といった授業への期待が感じられる答えがありました。
②については、「木」が多かったことが印象的でした。やはり木に関心を抱いている人は多いようです。
【DVD「木のものがたり」上映】
生徒さんには、隣の方と一緒に絵本を見てもらいました。
お互いの感想を言い合いながら、絵本を見る生徒さんの姿も。
【絵本の制作秘話】
元々、「木のものがたり」は木の椅子の展示の際に、椅子の上に置く絵本として制作されました。
しかし、それでは多くの人に手にとって見てもらえないため、出版することにしたそうです。
絵本の前半部分は絵を中心とした物語で、後半部分には詳しい解説がついており、
子どもも大人も楽しみながら木について学ぶことのできる内容になっています。
森林の話は暗いイメージ!?
絵本を作る過程でどんなことを考えたか、田村さんにお伺いしました。
田村さんは、「百年の会」のロゴマークやリーフレットの制作を担当されていました。絵本の制作を依頼された時、木に関する知識があまり無かったため、森林の話を聞いたそうです。ところが、話を聞いて
持ったのは暗いイメージ。そこで田村さんは、言葉は少なめにして絵で楽しんでもらえる明るい話の絵本にしようと考えたそうです。ちなみに絵は貼り絵です!
この絵本は、鳥の視点から物語が展開されています。そこには広い視野で見ることのできる物語にしたいという田村さんの想いが込められているのです。
なぜ森林の話は暗いイメージなのか?
今度は白石さんに、森林の話についてお伺いしました。
日本は国土の3分の2が森林ですが、その豊かな森林を利用せずに、安く大量に手に入る輸入の木材に
頼っています。木の伐採量が多いドイツでは製材品の自給率は何と100%!一方、日本はわずか20%…。
結果として、国内の林業の衰退を招き、手入れされない森林は荒れてしまいます。遠くからは木が
生い茂っているように見えても、実際に中に入ると草も生えず荒れている里山が京都にもあるそうです。
木を植える→育てる→利用する、この循環が崩れていることを知り、田村さんが森林の話に暗いイメージを持った理由が分かりました。
森林の循環の仕組みを100年かけて直す
白石さんが事務局長を務める「百年の会」は、森林や木材の関係者の方々で結成され、森林木材の循環利用の大切さを訴えて様々な活動に取り組まれています。活動期間は100年だそうです。乱れた森林の循環の仕組みを直すには100年という時間が必要だからです。長い時間と手間をかけて木は育ちます。スギは60~80年、ヒノキは80年~100年もの時間がかかるそうです。白石さんのお話を聞き、木を育てながら、その時間に合わせて木を大切に使う仕組みが今、必要なのだと実感しました。
*木が育つまで*
●苗木を植える
●幼い苗木を放置すると草に覆われて枯れるため、「下草刈り」を行う…5年くらい
●人の背丈より高くなったら良い木材にするため、「枝打ち」を行う…20年くらい
●木の成長の勢いを保つために「間伐」を行う(放置しておくと、森の中は広がった枝で混み合い、
光が当たらなくなってしまう)…5~10年の間に一度行う
田村さんは、「百年の会」の主旨を考えた時に、『時間』が大事だと感じたそうです。その言葉通り、
絵本には時間の経過が感じられる場面がたくさんあります。例えば、年輪が刻まれた切り株が描かれて
います。年輪は一年に一本ずつ増えるそうで、木が長い年月をかけて育っていることが伝わります。
他にも、山の「おじさん」が「おじいさん」になっているなど、人も木も同じように時間を重ねている
と絵本は教えてくれます。
【グループワーク】
「あなたが100年残したいものは何ですか?」
このテーマについて、3人1組で話し合い発表しました。
隣の方との距離が近いこともあり、生徒さんたちは和気あいあいと、且つ真剣に話し合っていました。
●森、農地、木の家、人と自然との関わり
木に興味はあるが、関わることがなく知らないことが多い。木にもっと触れ合っていきたい。
●着物
親の着物を自分はサイズが合わず着ることができなかったが、今は娘がサイズを直して着ている。
次は娘から孫に着物を受け継いでもらいたい。
●かたちのないもの…もったいないという気持ち、エコ思想
●京都カラスマ大学(!)
幅広い世代の人が集まって話し合える場をこれからもつくってほしい。
●京都の町、家
100年後、今建てた家が続いているように制度や意識を変えていきたい。
●先生方の答え
白石さん:森林を循環利用すること
田村さん:本を残したい。手に持ってページをめくる感覚を大事にしたい。
【質疑応答】
「森を守るために私たちに出来ることは何ですか?」
(白石さん)身近にある木の製品を大事にしてください。新しいものを求める時には、その木がどこから来ているのかを見てほしい。
「間伐が遅れるのは何故ですか?」
(白石さん)日本の木材が売れないため、放置される。木を活かす仕組みを、みんなで作っていく必要がある。
「身近な里山を守るにはどうしたら良いですか?」
(白石さん)木材は再生産可能なもの。家を建てるのに使用した大きな木を、今度は小さな木として
椅子に利用し、最後には燃料として使う。以前、里山は燃料源とされていた。里山で育った木を
トータルに利用する。
今までは、森林を守るには木を植えて育てることが重要で、切って使うことは良くないというイメージがありました。(勿論、木の育つ時間を考えずに大量に切ることは避けるべきですが…。)木を育てる間も人の手は加えず、自然のままの方がよく育つと考えていました。しかし、人が手入れをすることで木は
健やかな状態を保つことができ、木を利用することが次の木を育てることに繋がるのだと分かりました。まずは身近な木の製品を大切に使うことから始めます。
授業後、4月の実践編の授業にも参加したいという生徒さんが続々と声をかけてくれました。
次回はいよいよ実践編!学ぶ側から伝える側へ。つみきゼミ発足に向けて、一歩を踏み出しました。
(ボランティアスタッフ ツルマキ タカコ)

定 員 :25人








